1 基本方針
学校は,学校はみんなで学ぶところです。 そこで大事なことは,「その子がその子らしく育つこと」です。 みんなと同じように出来ないことがあってもいい。 それを気にするよりも,その子ができることを伸ばしていく。自分で決めたことを成し遂げさせ,他者に認められる経験をさせて,心の発達を後押しします。
- 自己効力感(できると自分を信じられる力)を高める
- 適切な目標を立てて,達成を支援する。【達成経験】
- 他の誰かの成功した姿から達成理由や必要な能力を学ぶ。【代理経験】
- どうすれば成功するか話し合ったり,うまくいったことを一緒に喜んだり,結果ではなく過程を誉めたりする。【言語的説得】
- ドキドキやワクワクといった気持ちの昂りを共有する。【高揚】
- 自分自身や他者の成功を想像する。【想像的体験】
- 自己肯定感(できてもできなくてもありのままの自分を受け入れられる力)を育てる
- 自己効力感が高まれば,物事に挑戦しようとする気持ちが育ち,失敗したときでも「今度は頑張ろう」「失敗してもいいんだ。それでも自分には価値がある」と考えることができるようになる。
2 いじめ防止基本方針
【いじめの定義】 「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。/いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)
(1)いじめ防止についての基本的な考え方
学校は,すべての生徒が安心感を持って,安全に生活,学習,活動することのできる空間でなければならない。したがって,「いじめ」は人として絶対に許されない行為であり学校のみならず家庭,地域をあげてその撲滅に取り組む必要がある。しかも,私たちは現代のネット社会に代表されるように,複雑にからみあった人間関係の中で生活しているため,「いじめ」はいつでもどこでも誰にでも起こりうるものであり,誰もが被害者にも加害者にもなりうる可能性があるのだということを認識しておかなくてはいけない。
また,いじめは加害・被害という二者関係のみならず,学級や部活動等その所属集団の側面からとらえることも必要であり,集団全体にいじめを許さない雰囲気を育てるように心がけなければいけない。
もし不幸にも「いじめ」が認知された場合には,それが子供達を成長させるチャンスととらえ,間髪入れずに指導を入れ,一人一人の生徒に『自分が大切にされていること』を実感させることが大切である。そうすることで思いやりに満ちた温かな人間関係が形成され仲間と共に人間的に成長できる,本当の意味での魅力ある学校づくりが行えるものと信じる。
(2)いじめ防止対策組織
もともと本校に設置されている「生徒指導委員会」がいじめ防止対策の組織として機能を果たし,ひとたびいじめ事案が発生した場合には「いじめ対策会議」を設置して対応にあたることとする。「生徒指導委員会」は,校長,副校長,生徒指導主事,各学年主任,養護教諭で構成されるが,いじめ対策会議が設置された場合には,教務主任や該当生徒の担任,部活動顧問,適応支援相談員,スクールカウンセラーなど必要に応じてメンバーを加えることとする。
「生徒指導委員会」・「いじめ対策会議」の役割・・・いじめ防止対策に関わるもの
- 前年度のいじめ防止対策の検証と改善策の立案を行う。
- 年度初めの職員会議で「いじめ防止基本方針」と具体的な「いじめ防止対策年間計画」を確認し,全教職員で共通理解を図る。
- 生徒,保護者への定期的なアンケートの実施によるいじめの実態把握を行う。
- 教育相談強化週間を実施し,担任による全生徒への面談活動を通して「いじめ」の実態把握を行う。
- 「いじめ」が認知された場合,「いじめ対策会議」設置し迅速に問題解消に向けた指導・支援を行う。
- 問題が解消された後も継続的な観察,見守りを行いいじめ対策会議で報告するものとする。
(3)重大事態への対応について
いじめを原因(疑いを含む)として重大な事態(自殺,いじめによる重傷,入院,長期にわたる不登校等)が生じた場合には,以下の流れ図に基づいて対応する。
- いじめの疑いに関する情報・事実の確認
- 教育委員会への報告
- 教育委員会が調査の主体を判断
- 学校が調査主体の場合
- いじめ対策会議が調査組織の母体となる。
- 調査組織の中に専門知識や経験を有し当第三者の参加を図る(公平性,中立性の確保に努める)該いじめの関係者と利害関係を有しない第三者の参加を図る(公平性,中立性の確保に努める)。
- 第三者機関が調査主体の場合は,教育委員会,並びに第三者機関の指示に従う。
- 調査の実施
- 事実と向き合う姿勢を大切にして,客観的な事実関係を速やかに調査する。
- 調査にあたって実施するアンケートは,調査に先立ちその趣旨を調査対象の生徒,保護者に説明をする。
- 情報提供
- 調査結果については,関係者に対し,個人情報に十分配慮しながら適切に情報提供を行う。
- 調査結果の報告
- 希望があれば,いじめを受けた生徒または保護者の所見をまとめた文書を調査結果に添付する。
- 調査結果を教育委員会へ報告する。
- 調査結果を踏まえた必要な措置
- 調査結果を踏まえ,再発防止に向けた取り組みの検討と実施そしてその検証を行う。
(4)いじめの防止に関する具体的な取り組み
- 未然防止の取り組み(最も大切にしたい取り組み)
- 優しさ,思いやりの心をベースにした生徒同士の関わりを大切にし,互いに認め合い共に成長していく人間関係づくりを推進する(言葉遣いの悪さ,言葉による暴力,安易に叩いたり押したりする物理的な暴力など日常生活の姿から改善を進めていく)。
- 授業,行事,部活動などの活動の中で生徒の活動や努力を認め,自己存在感,自己肯定感を育むことができるように努める。
- 体験活動やボランティア活動を通して道徳教育や人権教育を充実させ,命の大切さ,相手を思いやる心の醸成を図る。
- 生徒や保護者に対する携帯電話やスマートフォン,タブレット等の正しい利用の仕方,マナーについての理解を深め,情報モラル教育を推進することで,ネットいじめなどの未然防止を図る。
- いじめの背景となる様々なストレス(学業不振,コミュニケーション能力不足,人間関係を上手く築けない等)が蓄積されていないかという視点に立って全教職員で生徒観察にあたるとともに,ストレスの蓄積が確認された場合には,学年教師団を中心として工夫しその解消を図る。
- 前期,後期の生徒総会において「いじめ撲滅宣言」を全校生徒で唱和する。また,紫波西学園全体でも,小中一貫して「いじめ撲滅宣言」を意識した学校生活に努める。
- いじめを早期発見する取り組み
- 学校評価アンケートや自己評価アンケート,教育相談活動を定期的に実施し,生活記録ノートの記述など生徒の小さなサインを見逃さないように努める(悪気のないふざけ,喧嘩,いたずら,落書き,暴力,悪言を許さない日常からの指導)。
- 教師と生徒との温かい人間関係づくりや保護者との信頼関係づくりに努め,いじめなどの問題に対して相談しやすい環境を整える。
- いじめを発見するためには,教師の目だけでは足りず完全とは言えない。そこで所属集団にいじめを許さない雰囲気を醸成することで,子ども達自身の目で見守ることのできる集団づくりを進める。さらに,「自分たちで解決できないときには先生方の力を借りていいのだ」そんな生徒と教師の信頼関係づくりに努める。
- いじめ相談電話や外部相談機関などを紹介し,生徒,保護者が相談できる機会を増やす。
(5)いじめを認知した後の措置
- いじめの発見,通報を受けたら「いじめ対策会議」を招集し,組織的に対応する。
- 被害生徒を守り通すという基本姿勢を貫く。
- 加害生徒については,教育的配慮のもと,毅然とした姿勢で指導・支援を行う。
- いじめを起こした集団への働きかけを行い,いじめを見逃さない,生み出さない集団づくりに努める。
- 教職員間の共通理解を図るとともに,保護者の協力,スクールカウンセラーや適応相談員,町教委,警察署や児童相談所などとの連携のもとで取り組む(教職員がいじめの情報を学校内で共有しないことは法規定(いじめ防止対策推進法第23条第1項)に違反することを確認する)。
- ネットいじめについては,生徒指導主事を中心に警察や法務局等,外部機関と連携しながら対応する。
- 問題が解消された場合でも,事後の継続的な観察,見守りを行う(解消の判断基準:いじめの行為が止んでいる状態が少なくとも3ヶ月継続していること)。
(6)今後の取り組みについて
- 4月の第1回職員会議で,いじめ防止基本方針を確認するとともに,全職員が生徒理解を図るための全体研修会を実施する。さらに毎月の職員会議や『スタッフミーティング』において,生徒指導等に係る情報交換を密に行い職員間の情報共有を図る。
- 毎月実施する教育相談(悩み)アンケートの取り扱い方について職員で共通理解を図る。
- 「紫波三中いじめ防止基本方針」を,保護者や地域の方々に周知するため,保護者にはPTA総会の資料と共に配布し説明するとともに,地域の方々には本校ホームページにアップすることで周知を図る。
3 部活動基本方針
(1)部活動の目的
学校は,多様な学びの場である部活動への生徒の参加を奨励し,次の4つを目的にして指導します。
- 活動を通して生徒の個性を伸ばし,体力の向上と心豊かな生徒の育成をめざす。
- 生徒の自主性を尊重し,スポーツや文化の楽しさや喜びを味わわせる。
- 自己の能力に応じた目標を設定させ,苦しいことから逃げ出さず根気強く最後までやり遂げる生徒を育てる。
- 仲間と協力しながら活動させ,豊かな人間関係の醸成を図る。
(2)部活動の指導方針
- 部活動は,生徒の自主的・自発的な参加により行われるものであり,参加を義務付けたり,活動を強制したりしないよう留意する。
- 部活動への加入については,本人にとってより良い選択となるよう,本人および保護者とよく相談し,柔軟に対応する。
- 各部の顧問は,大会で勝つことやコンクール等の上位入賞のみを重視し過重な練習を強いることがないよう,生徒の健康面やスポーツ医・科学の観点を踏まえた指導を行うとともに,体罰や生徒の人格を傷付ける言動等の根絶を図る。
- 運動部顧問は,スポーツ医・科学の見地を踏まえ適切な指導や科学的トレーニングの積極的な導入等により,休養を適切に取りつつ,短時間で効果が得られる指導を工夫して行う。
- 文化部顧問は,生涯を通じて文化的活動等に親しむ基礎を培うことができるよう,生徒とコミュニケーションを十分に図り,生徒がバーンアウトすることなく,技能の向上等それぞれの目標を達成できるよう,休養を適切に取りつつ,短時間で効果が得られる指導を工夫して行う。
(3)部活動の運営
- 校長は,部活動の指導方針(ねらい・指導体制・休養日や活動時間の設定等)について,教職員,部活動指導員,保護者,外部指導者等が共通理解を図る機会(部活動連絡会等)を設定する。
- 部活動休養日及び活動時間の基準を下記の通りとし,できるだけ短時間で,合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。
- 週当たり2日以上(平日1日以上,週末1日以上)の休養日を設ける。
- 部活動休養日に大会参加等で活動した場合は,他の日に振り替える。
- 1日の活動時間は,長くとも平日では2時間程度,学校の休業日は3時間程度とする。
- 部活動を補完する活動(保護者会・スポーツ少年団等)が行われる場合は,部活動と合わせて基準を超えない活動とする。特に夜の活動は,生徒が帰宅後に家庭学習や睡眠時間を確保できるよう配慮する。
- 学校の休業日に大会参加等で基準とする活動時間を上回った場合は,他の日の活動時間を調整する。
- 週当たり2日以上(平日1日以上,週末1日以上)の休養日を設ける。
- 各部の顧問は,年間並びに毎月の活動計画を作成し,校長に提出するとともに,生徒・保護者への情報提供を行う。
- 各部の顧問は,生徒が安全に活動することができるよう環境を整え,事故防止を徹底する。
(4)留意事項
- 部顧問は,生徒の健康状態の把握に努めるとともに,気象情報等に留意し,適切に対応する。
- 高温や多湿時においては,こまめな水分・塩分の補給や休憩の取得,生徒の健康管理を徹底する。
- 熱中症の疑いのある症状が見られた場合には,早期の水分・塩分の補給や体温の冷却,病院への搬送等,適切な対応を徹底する。
- 新型コロナウイルス感染防止対策を徹底するとともに,地域の感染状況に応じて活動を制限する等適切に対応する。
- 部活動が生徒や部顧問の過度な負担とならないよう,参加する大会等を精査する。
- 生徒が部活動以外の多様な活動にも取り組むことができるよう配慮する。
- 部の継続が難しくなった場合,生徒ともに部の内情に即して柔軟に対応の在り方を検討する。
- 持続可能な部活動とするため,中長期的な見通しのもとで学校規模に応じた部活動数の検討を継続する。